毎日の生活に欠かせない水道水。
しかし、その水にはカルキという成分が含まれており、多くの人々がその特有の匂いや味を気にしています。
このカルキを効果的に抜くことで、水道水をより美味しい飲み水に変えることができるのです。
本ガイドでは、家庭で簡単に実践できるカルキ抜きの方法を詳しく紹介します。
安心して、美味しい水を家族全員で楽しむためのステップを一緒に学びましょう。
この記事を読むことで理解できる内容は以下の通りです
- カルキの性質と水道水への添加の理由
- カルキ抜きの水の利用シーンとその重要性
- カルキを抜くための具体的な方法とその効果
- カルキ抜きの水の取り扱い時の注意点
水道水はカルキ抜きしないでも飲み水になる?
水道水は、日本の厳格な水質基準に基づいて管理されています。そのため、基本的には安全に飲むことができます。
しかし、水道水にはカルキが含まれているため、これが原因で特有の臭いや味を感じることがあります。
カルキは身体に悪い?
カルキとは、水酸化カルシウムに塩素を吸収させてできる白い粉末で、次亜塩素酸カルシウムのことを指します。
カルキが水道水の消毒に広く使用されているのは、河川や湖の原水に存在する微生物に対して高い殺菌効果を持つためです。
実際、日本の水道法では、1リットルあたりの残留塩素の濃度が0.1mg以上の濃度を保持していることが義務づけられており、これは人体にとって安全な範囲とされています。
この数値は、多くの研究と実験に基づいて設定されており、日常的に摂取する分には健康への影響はほとんど考えられません。
つまり、水道水にはカルキが含まれることで、私たちは安心して水道水を飲むことができると言えます。
このような基準があるため、カルキの臭いが気にならない人はそのまま摂取してよいでしょう。
一方でカルキを抜いた方が良いのは次のようなケースです。
- 赤ちゃん用のミルクを作る場合
- 金魚やメダカなどの水槽用の水にする場合
- 美味しい水を飲みたい場合
例えば、1日に2リットル以上の水を摂取する場合、カルキの摂取量が増えるため、長期的には健康に悪影響を及ぼす可能性が考えられます。
特に、肌や目の敏感な方、アレルギー体質の方は、カルキによる刺激を感じやすいと言われています。
また、乳幼児や高齢者など、体の抵抗力が低い人々にとっては、カルキの影響を受けやすいとも考えられます。
このため、赤ちゃんのミルクを作る際や、高齢者が水を摂取する際には、カルキを除去した水を使用することが推奨されています。
総じて、カルキは水道水の安全性を確保するための重要な役割を果たしていますが、その摂取量や使用状況には注意が必要です。
特に、敏感な体質の方や特定の年齢層の方は、カルキ抜きの水の使用することを検討すると良いでしょう。
赤ちゃんのミルクとカルキ抜き
赤ちゃんの体は大人に比べて非常にデリケートです。
特に、消化器系はまだ発達途上であり、大人と同じように様々な物質を処理する能力は持っていません。
このため、ミルクを調製する際の水選びは非常に重要となります。
実際、多くの小児科医や栄養士は、赤ちゃんのミルク調製にはカルキを除去した水を使用することを推奨しています。
特に、0歳から6ヶ月の赤ちゃんは、ミルクが主食となるため、より注意が必要です。
カルキ抜きの水は、市販のミネラルウォーターや浄水器を通した水などが考えられます。
ただし、ミネラルウォーターを選ぶ際は、ナトリウムやマグネシウムなどのミネラル成分の含有量もチェックすることが必要です。
できるだけミネラルの少ない軟水を与えましょう。
※世界保健機関の基準では、水1リットルに含まれるミネラルの含有量が120mgを超えると硬水、それ未満のものが軟水とされています。
水槽用の水としてのカルキ抜き
水槽内の生態系は、外部からの微小な変化にも非常に敏感です。
その中でも、水の質は魚や水草の健康に直接的な影響を及ぼす要因となります。
特に、熱帯魚や珍しい水草など、デリケートな生物はカルキに対して高い感受性を持っています。
例えば、一部の熱帯魚は、カルキが含まれた水にさらされることで、鱗や皮膚に異常をきたすことが報告されています。
また、水草においても、カルキの影響で成長が阻害されるケースが確認されています。
このような背景から、水槽に水を入れる際には、カルキを適切に除去する処理が必須となります。
市販されているカルキ抜き剤や、炭を使用した浄水方法、さらには一定時間の放置による自然脱塩素など、複数の方法が存在します。
選択する方法は、水槽のサイズや飼っている生物の種類、そして頻度に応じて適切に選ぶことが求められます。
総じて、水槽環境を健全に保つためには、水の質に十分な注意を払い、カルキを適切に除去することが不可欠です。
水道水のカルキを抜いて飲み水にする方法5選
水道水のカルキを抜く方法は、家庭で手軽に行えるものから、専門的な方法までさまざまです。
以下、そのおすすめの方法を5つ紹介します。
汲み置きしてカルキを抜く方法
カルキは時間とともに自然に揮発する性質を持っています。
この性質を利用して、カルキを簡単に除去するのが「汲み置き」という、ごく簡単な手法です。
ペットボトルに入れ、放置するだけでも揮発しますが、空気に触れる部分が少ないため、この方法でカルキを抜くには1日以上かかります。
また、ペットボトルいっぱいに水を入れてフタをしてしまうと全くカルキが抜けません。
なるべく効率よくカルキを抜くためには空気に多く触れさせる必要があります。
そのため、バケツのような開放的かつ大きい容器を使うのがおすすめです。
また、できる限り日光に当てた方が早くカルキが抜けます。
しかし、少なくとも6時間程度はかかることから、日常の飲み水をこの方法でカルキ抜きするにはあまり向いていません。
また、カルキは抜けたとしても放置する時間の長さによって、雑菌が繁殖してしまうという別の問題も発生してしまいます。
飲み水のカルキ抜き方法というよりは、水槽用の水のカルキ抜きに適している方法と言えるでしょう。
大容量の水を短時間でカルキ抜きしたい場合や、より高度な浄水を求める場合には、他の浄水方法を併用または検討することが望ましいでしょう。
煮沸でカルキを抜く方法
もっと短時間でカルキを抜く方法が煮沸です。
やかんなどに入れた水道水を10分ほど沸騰させるとカルキが抜けます。
しかし、同時に発がん性物質であるトリハロメタンが増加してしまいます。
そのトリハロメタンを除去するためには、さらに3分から10分の煮沸が必要となります。
つまり、合計で13〜20分煮沸し続ける必要があります。
この方法が一般家庭で行われる最もメジャーな方法かと思いますが、注意するのは作りすぎないことです。
前述のとおり、カルキには殺菌効果があるため、カルキを抜いた水は雑菌が繁殖しやすいというデメリットがあるためです。
また、冷却する時間が必要になることと、ガス代(または電気代)がかかるというデメリットもあります。
炭を使ってカルキを抜く方法
炭の吸着能力を利用して除去する方法もあります。
炭、特に備長炭や竹炭は、多孔質の構造を持ち、この構造がカルキの成分である塩素分子をキャッチし、水から取り除く役割を果たします。
炭には浄化作用があるため、カルキ臭だけではなく、前述の発ガン性物質「トリハロメタン」の除去もできます。
また、炭に含まれるミネラルが水に溶け出し、ミネラルウォーターになるのです。
実際の除去手法としては、適量の炭を水道水が入った容器に加え、冷蔵庫で半日ほど放置するだけです。
また、日光にさらすことで、吸着効率をさらに高めることが可能です。
注意事項としては、水に入れる前に①きれいに洗う②煮沸していったん乾かす③1ヶ月程度で交換する(炭の浄化作用は1ヶ月程度のため)ということを考慮しておきましょう。
ビタミンCでカルキを抜く方法
ビタミンC(アスコルビン酸)は、水道水に含まれる塩素と化学的に反応し、塩化ナトリウムと水に変換する能力を持っています。
この反応は、ビタミンCが塩素と結合し、酸化ビタミンCを形成することで進行します。
必要なレモンの量ですが、1リットル当たり3〜4滴程度、コップ1杯あたり1滴程度で大丈夫です。
輪切りのレモンを使う場合は、防カビ剤に注意です。
国産のレモンは使用してない場合が多いですが、輸入のレモンには通常は防カビ剤が塗布されています。
そのため、搾り汁だけを使う方が安全です。
浄水器(ウォーターサーバー)でカルキを抜く方法
浄水器とウォーターサーバーは、水道水のカルキや他の不純物を効率的に取り除くためのハイテク装置として、多くの家庭やオフィスで利用されています。
これらの装置は、独自のフィルターシステムを採用しており、水中の塩素や有害物質を最大99%以上除去することができます。
ウォーターサーバーの主なメリットは、天然水や特別にろ過された水を定期的に宅配してもらえる点です。
これにより、ユーザーはいつでも新鮮で高品質な水を手軽に摂取することができます。
さらに、ウォーターサーバーは、デザイン性も高く、インテリアとしての役割も果たしています。
一方、浄水器は、家庭の蛇口や分岐水栓に直接取り付けることができるのが特徴です。
逆浸透膜方式や活性炭フィルターなど、様々なフィルタリング技術を使用して、水中の塩素、有害物質、硬度の高いカルシウム成分などを効果的に取り除きます。
特に逆浸透膜方式の浄水器は、塩素除去率が99%以上という高い性能を持っており、髪や肌の健康を維持するのに役立っています。
しかし、これらの装置のデメリットとして、定期的なフィルター交換やメンテナンスが必要であること、初期投資やランニングコストがかかることが挙げられます。
特に大家族やオフィスでの大量の水使用には、コスト面での検討が必要です。
総じて、これらの装置を使用することで、カルキの匂いや味を気にせず、健康的で美味しい水を日常的に楽しむことができるのは間違いありません。
選択する際は、家庭のニーズや予算に合わせて、最適な装置を選ぶことが重要です。
おすすめはLapis(ラピス)で、一般的なウォーターサーバーと違って水道水を注ぐだけなので、ボトルの交換の必要もありません。
それでいて月額も税込3,608円と、他社と比べても安めです。
家庭でのカルキ抜き実践ガイド:水道水を安全な飲み水に【まとめ】
この記事の内容のまとめです。
- カルキは水道水の安全性を確保するための重要な役割を果たす
- 水道水のカルキは次亜塩素酸カルシウムを指す
- カルキは微生物に対して高い殺菌効果を持つ
- 日本の水道法では残留塩素の濃度が人体に安全な範囲であることが義務づけられている
- 赤ちゃんのミルクや水槽用の水にはカルキを抜いた水の使用が推奨
- 敏感な体質や特定の年齢層はカルキ抜きの水の使用を検討すると良い
- 炭(備長炭や竹炭)を使用してカルキを除去する方法もある
- カルキを抜いた水は雑菌が繁殖しやすいため、保存には注意が必要
- カルキは時間とともに自然に揮発する性質を持つ
- 日光に当てるとカルキが早く抜ける
- カルキ抜きの水は金魚やメダカなどの水槽用の水としても使用される
- 浄水器やウォーターサーバーを使う方法が、費用はかかるけど最も確実
コメント